家族(恋人)のあなたにできること
まず、最初に、あなたの家族(夫・妻・恋人・子供)が、パチンコ依存症なのかどうかというところですが、以下のようなことがよくあるようだと、パチンコ依存症の可能性が非常に高いです。
- どこに行っているか分からないことがある
- 予定していた約束を数日前、もしくは直前にキャンセルする
- どんな時でもパチンコをする(旅行先、30分程度の僅かな時間、徹夜明けなど)
- 急にお金が必要になるイベントが発生する(結婚式・葬式・盗難など)
- キャッシングで現金の借金をする
多くの場合、パチンコ依存症の方は嘘と借金がセットになります。
パチンコ依存症の方はパチンコに対してコントロールが効きませんので
- ほんの僅かな時間でも、パチンコ店を見れば入りたくなります。
- 打ち始めると、例え用事があっても切り上げることがなかなかできません。
- 手持ちのお金がなくなっても、何とかお金を工面して打ち続けます。
結果として、周りの人間に対して嘘やドタキャンが多くなりますし、借金をするようになってしまうのです。
あと、パチンコ依存症の方は、パチンコに対する言葉は嘘で発言する場合もありますので、周囲の人間でもなかなか気付くことができません。
例えば……
- 1年間トータルで100万円負けていたとしても、妻に「今年は100万円くらい負けている」と言えるでしょうか。
- パチンコで負けて旅行を中止した彼が、彼女に「実はパチンコでお金をつかってしまった」と言えるでしょうか。
- パチンコをするために予備校をサボった浪人生が、親に「今日はパチンコに行った」と言えるでしょうか。
口が裂けても言わないですよね。
パチンコ依存症の方は、その依存度が高まれば高まるほど、パチンコしていること自体を隠す傾向が強くなります。
ですので、「そんなに負けてない」とか「そんなにパチンコに行っていない」という本人の言葉は全く意味がありません。
もし、あなたの家族や恋人が「パチンコ依存症かもしれない」と思われるのであれば、本人の行動や言動を少し注意深く見てあげてください。
もし、パチンコのための嘘や借金が透けて見えてくるようであれば、パチンコ依存症になってしまっている可能性が高いです。
パチンコ依存症の回復の道は、本人しか歩く事ができません。
しかし、あなたの気付きが、パチンコ地獄で苦しむ本人を救うきっかけになることはできるのです。
あなたが、パチンコ依存症の方の家族・恋人の方であるならば、こんなことを思っていませんか。
- 借金をしたり、嘘をついてまでパチンコをするなんて理解できない
- 大負けする前にどうしてやめられないのか
- 毎日、朝から晩までパチンコをするなんて、そんなにパチンコが好きなのか
なぜそこまでしてパチンコをするのか?
実は、それはパチンコ依存症の本人にも分からないのです。
ちなみに、私も以下のような時に「俺は何でここまでしてパチンコしてるんだろう?」と思っていました( ̄□ ̄;)
- 寝不足で疲れているのに、パチンコ店の開店待ちの列に並んでいる時
- 台風接近中で大雨が降っている中でもパチンコ屋に向かっている時
- 面接まで30分しかないのに打ちはじめてしまって、当たってしまい、結局、面接に間に合わなかった時
- 頭の中では家族に申しないな〜と思いながらもパチンコしている時
- この、2万円なくなったら今月の返済できなくなる…と思いながら、パチンコしている時
本人すら自分の行動を理解できていないのですから、パチンコ依存症ではない、ご家族の方が理解できないのはある意味当然なのですが、愛する家族(恋人)の行動ですから、理解したいと思う気持ちもよく分かります。
「パチンコさえしなければ本当にいい人なんだから、何とかやめさせたい」
家族(恋人)がそう思う気持ちはよく分かりますし、パチンコ依存症の私としては本当にありがたいことだと思います。
しかし、パチンコ依存症は残酷で闇の深い病気です。
回復の道は、本人にしか歩くことはできません。
家族や恋人は、基本的にはただ見守ることしかできないと思ってください。
しかし、家族や恋人が「パチンコ依存症」という病気について理解してくれていることは、回復への大きな応援になります。
もし、あなたがパチンコ依存症の家族(恋人)を支えてあげよう、と思って頂けるなら、「単なるパチンコ好き」と侮らず、「パチンコ依存症」という病気として、正しい理解をしてあげてください。
パチンコ依存症に対する正しい知識を得るための教材は、以下のページでご紹介しています。
正しい情報を得続ける
あと、本人に、しっかりとした気付きと「パチンコ依存症」という自覚がない中で以下のような強制しても、ほとんど効果は期待できません。
- 「もうパチンコはしない」と誓約書を書かせる
- お金を渡さない
- 外出させない、会社(学校)に送り迎えをする
パチンコ依存症の自覚のないパチンカーは、「自分はパチンコをしたいんだ」と思い込んでいます。
それはある種のマインドコントロールなのですが、本人は全くそのことに気が付いていません。
ですので、自覚のないパチンカーが強制的にパチンコを禁止されている時は、「隙があればパチンコを打とう」と無意識のうちにチャンスを探しています。
その結果、お金がなければ何とか借金の道を探し出しますし、自由になる時間を嘘をついでも捻出します。
しかも、「家族(恋人)を裏切っている」という罪悪感から、パチンコに行っていることを隠すようになり、逆に症状を悪化させることにもなりかねません。
では、家族(恋人)にできることはないのでしょうか。
他の病気と同じように、家族(恋人)のあなたはパチンコ依存症の回復に対し、直接的には何もできません。
でも、あなたは以下のような形で本人の回復を応援してあげることができます。
パチンコ依存症からの回復のための行動は、全て本人の意思で行わないと逆効果です。
あまり強引に本人の行動を管理することは「強制されている」という意識につながり、回復の妨げになってしまうのです。
あなたは、パチンコ依存症の本人に金銭的な支援をしていませんか?
パチンコ依存症の方に直接お金を貸したり、借金の肩代わりをしては絶対にいけません。
「パチンコ依存症」という病気は、「お金がなくてもうどうしようもない」というどん底の気持ちが回復へのきっかけになります。
あなたは、「借金に苦しむ本人を何とか助けてあげたい」という気持ちで援助したとしても、またパチンコに使われてしまうばかりか、本来ならば訪れたはずの回復のきっかけを奪ってしまうことになるのです。
ただし、高金利の借金をまとめたり、自己破産や任意整理といった法的整理の支援は是非協力してあげてください。
本人に自覚の有無に関わらず、まずは「パチンコ依存症」という病気があることを理解してあげてください。
あなたの大切な家族(恋人)は、パチンコ地獄の中で、たった一人で途方にくれているのかもしれません。
本人が「パチンコ依存症」だと自覚していない場合、回復の見込みは全くありません。
そんな時は、「パチンコ依存症という病気がある」ということを伝えてあげてください。
最初は「俺は病気なんかじゃない」と言うかもしれません。
でも、ふとした時(大負けした時とか)に、あなたの言葉が気付きのきっかけになるかもしれません。
本人が拒絶しないようなら、「パチンコ依存症」の教材を読んでもらってください。
パチンコ依存症から回復するためには、本人がパチンコ依存症であることを自覚し、「パチンコをやめたい」と思うことが第一歩になります。
その第一歩を踏み出す助けになってあげてください。
本人がパチンコ依存症との闘いを決意した後は、周りの人間は見守ることしかできません。
回復具合は気になると思いますが、あまり状況を聞いたりせずに見守ってあげてください。
もし、本人がお金の管理や、都度の電話・メール連絡といったサポートをお願いしてきたならば、引き受けてあげてください。
パチンコ依存症からの回復の道は、マラソンと同じで、本人にしか歩けない孤独な闘いです。
でも、家族(恋人)のあなたの応援は、ふとくじけてしまいそうな時に、心強い支えとなることは間違いありません。
また、ふとした誘惑に対する強力なブレーキにもなるでしょう。
パチンコ依存症の私としては、できるかぎり家族(恋人)のあなたに、パチンコ地獄で苦しんでいる本人の闘いを応援してあげてほしいと思います。
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