ギャンブルは適度に行えない
パチンコなどのギャンブルは、なぜ「やめたいけれど、やめられない」というほどにハマってしまうものなのでしょうか。
パチンコで脳に起こる変化のページでもご紹介したように、「思いがけずに報酬を得た行為」が、脳にいい思い出として残り、そのため、「また、思いがけずに報酬を得れるかも」という心理を働かせ、パチンコすることを繰り返させているのではないか、つまり、「ギャンブルにハマりやすい」というのは、人間の遺伝子に組み込まれた本能的な特性なのではないかと考えます。
パチンコを例に、ギャンブルにハマってしまう流れを書くと以下のようになります。
- なにかのきっかけで行ったパチンコ店で、偶然勝って思いがけない収入を得る。(もしくは勝っている友人などを見る)
- その「思いがけない報酬」を再度得るために、本能的にパチンコを繰り返すようになる。
- しかし、パチンコは打てば必ず勝てるようにはなっておらず、同じような打ち方をしても負けることの方が多い。
更に悪いことに、「たまに勝ってしまう日」もある。
- この「たまに勝ってしまう日」によって、「こうすれば勝てるのではないか」というパターンを自分の中でいろいろと検討し確立させようと執着してしまい、いつの間にかパチンコにどっぷりハマってしまう。
パチンコでいうと、プッシュボタンや下皿付近のレバー、ギミック、目新しいリーチ演出などは、大当たりの仕組みに詳しくない人には勝ちパターンの模索に繋がります。
また、潜伏確変の識別ランプも、意図的に組み込まれた戦略かもしれません。
(少し謎めいたほうが、その謎を解きたくなるので)
パチスロだと、目押しや設定判別などの技術介入余地があることも、執着を非常に強くする要素となっています。
大当たり回数や回転数などもパチンコ台の上の呼び出しランプに表示されていて確認できますが、「こうすれば勝てるのではないか」というパターンを自分の中でいろいろと検討し確立させようと執着しまう材料としては、ピッタリだと思います。
ただでさえ本能的にギャンブルにハマりやすい上に、更にハマりやすいように、メーカーによって綿密に仕組まれ依存者数を増やすために日々研究開発を行っています。
(メーカーやパチンコ店は、ギャンブルにハマる人が増えれば増えるほど利益が増える訳なので当たり前なのですが……)
これが、「ギャンブルを適度に行うことは非常にむずかしい(ハマりやすい)」ということの実体だと思います。
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